indexページへ 第10回全国ボランティアフェスティバルかながわ
シンポジウム:シンポジスト報告:濱田



シンポジスト報告

濱田写真  濱田 英雄
 株式会社 ユーディット(情報のユニバーサルデザイン研究所) 主任研究員


 視覚障害者がWEBや電子メールをどのように使っているか御存じであろうか?視覚障害者は、モニター画面の文字を音声で読み上げるソフト等を使って、デジタル情報であるWEBや電子メールを利用している。その結果、今まで点字などに頼ってきた情報を、リアルタイムに、より多く収集することが可能になった。
 しかし、世の中に存在する多くのWEBサイトは音声で読まれることを意識して作られておらず、場合によっては必要な情報にたどりつけないことが多い。WEB制作者はブラウザのバージョンやOS・回線状況など、パソコン環境による見え方の違いについては比較的配慮しているが、視覚的な情報を見ることのできない人たちの存在に気付いていないことが多い。
 インターネットで情報を得ているのは若い人達だけではない。視覚、聴覚、肢体に障害を持つ人や、高齢者、日本語を母国語としない人たちもいる。IT革命と騒がれる中、WEBを使える者と使えない者との間で生じる恩恵に差が生まれてしまう事態が、いわゆる「デジタルデバイド」という問題である。WEB制作者は、このデバイドの弱者になるユーザーがいることを頭の片隅で常に意識していることが必要である。それは、制作者のみならず、発注をする企業も同じだ。アメリカでリハビリテーション法508条ができたように、ウェブのアクセシビリティが、企業の姿勢や責任として問われる時代がやってくる。免許の更新などの役所事務手続きや、電子決済、電子投票などのオンライン化が急激な勢いで進んでいる。したがって、できるだけ使い勝手に配慮したアクセシブルなサイトを作ることが求められている。IT革命の中のパソボラ活動もこうしたアクセシビリティーを意識した展開が必要であろう。

シンポジスト紹介

 神奈川県大和市在住 年齢:50歳 独身(両親と妹夫婦と同居)。
 1951年に神奈川県川崎市に生まれた。両手両足の指がない障害者である。障害名は、「先天性両手足指欠損」で1種2級。中学卒業後、国立身体障害者職業訓練校に入学し、写真植字を学んだ。卒業後、川崎・藤沢の印刷会社に勤務した後、写真植字業自営で生活した。印刷業界の不況の中、ネットワークで知り合った友人より鋳物会社総務部に勤務したが、クリエーティブな仕事をということで、WEB(ホームページ)制作をメインに自営するようになった。この頃より、アクセシビリティガイドラインに沿ったWEB製作を始める。
 1999年 (株)ユーディットに主任研究員として入社し、2001年 日本規格協会「情報技術分野共通及びソフトウェア製品のアクセシビリティの向上に関する標準化調査研究委員会」運用略称「情報バリアフリー標準化委員会」委員/同委員会「ウェブ・アクセシビリティWG」主査などを歴任している。
 現在は、WEBアクセシビリティガイドラインの調査・研究。アクセシブルなWEBの製作。既存サイトのアクセシビリティについての調査及び評価。アクセシブルWEBの作り方についての講演等を主にSOHOで仕事をしている。

所属団体の紹介

株式会社 ユーディット

 当社は、さまざまな地域・障害・年齢・環境を超えて、社員と多くの登録社員とともに、企業や行政のWebサイトや製品を、アクセシビリティの観点からコンサルティングを行っている。障害者・高齢者を含むさまざまなユーザーの利用を考慮した新製品の企画、ユーザーによる評価、販売支援へのコンサルティングをはじめ、各種のイベントやセミナーなどを通じて、日本のIT産業にユニバーサルデザインの考え方が普及することを目指している。ユーザーのニーズ、企業の最新技術、官公庁や自治体の施策をかみあわせるためのコーディネーションや、海外動向の紹介、日本からの情報発信なども活発に行っている。
 ユーディット http://www.udit-jp.com/  電子メール: hamada@udit-jp.com


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